JJF2018 レポート

10月6日〜8日に東京で開催された日本最大のジャグリングイベント、JJF(Japan Juggling Festival)に参加してきました。

今年で20周年を迎えるJJF。会場はこれまでも何度か開催されている、代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターです。

JJFではたくさんのイベントが同時進行で行われているので、すべてをレポートすることはできませんが、自分自身が参加したものや、感じたことを残しておこうと思います。

 

1日目

初日、10:30からの開会式。ゲストや実行委員長の挨拶、ジャグリング協会が発行する雑誌「Shall We Juggle?」の記念撮影など。参加者はすでに全国から集まっており、いよいよ始まるぞ、という熱気が感じられます。

 

今年もPM Jugglingとしてブース出展。おかげさまでたくさんの方に道具に触れていただくことができました。お越しいただいた方、ありがとうございました!

PM Jugglingの出展では、できるだけ「遊べるブース」を目指しています。道具と道具がつながったり、道具と人がつながったり。そういう楽しさを提供できたらうれしいです。

 

大橋昂汰さんのお店「Kouta’s Store」で販売されているNロシアンとマグスティックもご厚意で展示させていただきました。「触ってみたかった!」という方がたくさんいて、注目度の高さを感じました。

 

宮野玲さんの手づくりのリング、ボックス、ボールなども展示させていただきました。リングは先日京都で行われたオムニバス公演「秘密基地」にて、宮野さんの演目で使用されたものです。丁寧に、時間をかけて作られた道具は美しく、多くの方が手にとって感心していました。

宮野さんの手づくり道具、これから僕も製作をお手伝いさせてもらいながら、おもしろいものを生み出していけたらいいなと思っています。

 

海外ゲストのEmil Dahlは、やわらかい1mm厚のPMリングを、バランスしながらプルプル揺らして遊んでくれました。クールな印象ですが、話すと物腰柔らかな、やさしい人でした。

ちなみにEmilの使っているリングはCathedralという、アメリカのメーカーのものです。たまに間違えられるのですが、残念ながらPMリングではありません。このメーカーも、小さく、オリジナルな活動をしていておもしろそうです。

 

今回は普通に参加者でもあるので、できるだけワークショップ(以下、WS)などのイベントにも参加していきます。

1日目は「ジャグリング道具自作ブレイクアウト」に参加しました。写真は主催のきぞはるさん。きぞはるさんは「きぞは工房」名義で、オリジナルのシガーボックス「きぞはこ」をはじめとした道具づくりに取り組んでいます。

参加者がそれぞれ3分以内で自分の道具を発表し、その後自由に交流するというブレイクアウト。参加者は20人以上いたと思います。僕は透明なホースにワイヤーを通した形の変わる道具と、布を縫うのではなく貼ってつくったビーンバッグの2つを発表しました。

このブレイクアウトでは、日本には自作道具に熱い人たちがこんなにいるんだ! というのが大きな発見でした。その規模感が可視化されただけでも、このWSには大きな価値があったと思います。企画したきぞはるさん、すばらしかったです。

こうした機会をきっかけに、道具そのものの背景も語り合っていけたらうれしいです。身近なジャグリングシーンのことや、その道具を使う人(ジャグラー)のことなど。ジャグリング道具と人はつながっていると思うので、そうしたものを共有し、考えを深めることで、さらに新しいものが生まれていきそうです。

 

自作道具ブレイクアウトの会場だった会議室には、「フォトジャグ!」の入賞作品が展示されていました。フォトジャグ!は ジャグリングストーリープロジェクトが主催する、ジャグリングをテーマとした写真コンテストです。道具づくりと同じように、写真を撮るという文化もどんどん盛り上がっていますね。

 

さて、JJF初日の夜といえばチャンピオンシップ。会場は体育館から歩いてすぐのホールです。

 

 

チャンピオンシップの会場は、わいわいとしていて、熱気につつまれています。チケットを取れなかった人のために、別会場でのパブリックビューイングもあり。また、YouTubeでライブ中継もされました。

 

 

男子個人部門で優勝した谷岡海人さん、以前韓国のKJFで一緒だったのですが(2015年のKJFはケントカイトがゲストでした)、すごく大人になっていてびっくり。JJFに参加していた韓国ジャグリング協会のシンさん達もうれしそうでした。

 

 

個人的にはタカシさん、最高でした。もう10年くらい前(!)ですが、大学生のころに一緒に練習させていただいたり、そして時が経った今ではPMのボールを使ってくださっていて。どきどきしながら応援していました。

 

 

チャンピオンシップ後の、会場の外。みんな、さあ飲みに行くぞーという感じ。自分はなんだか胸がきゅっとなる瞬間です。苦笑

 

2日目

2日目は書くジャグリングの雑誌:PONTE 編集長の青木くんが企画したWSに2つ続けて参加しました。「ジャグリングと「関わって」いく」と「EJC2018報告会」。

「ジャグリングと「関わって」いく」は、ジャグリングを「する」以外にどんな関わり方ができるのか? というのがテーマ。青木くんとJuggling Unit ピントクル 代表の中西みみずさんが司会となり、参加者の活動を引き出しながら考えていきます。

日本では大学のサークルがジャグリングの中心で、大学の卒業とともにジャグリングをやめてしまう人が多いのが現状です。そんななか、どんな関わり方をしていくことができるのか。例えば参加されていたフラトレス代表の宮田さんは、演劇とジャグリングの世界を比べながら、関わり方のヒントをお話してくれました。

ジャグリングとの関わり方については、僕も以前、考えていたことを書いてみました。

 

音楽でも、絵でも、料理でも、言葉でも、旅でも、その人なりの得意分野とジャグリングを組み合わせると、大人でもジャグリングが楽しめるし、むしろ大人になって自分の世界が広がれば広がるほど、ジャグリングが広く、楽しくなっていく。ずっとそう思っています。

ただ今はそれに加えて、ジャグリングを軸に生きていくんだという思いがより強くなり、そういう決心をした人、あるいは言い方が難しいですが、そうならざるを得なかった(自然とそうなっていった)人への興味が増しています。ゆるく広くも大切だけど、がっつり人生の軸に置いてやっていく人もまた大事だなと。

WSで話を聞いていると、ジャグリングへの関わり方にその人の人生や性格が現れていると感じます。そこがやっぱり、おもしろいところだなと改めて思いました。

 

体育館に戻って、友人の鈴木拓矢さんのお店「おもちゃ楽器.com」に遊びに行きました。鈴木さんはジャグリングの腕は一流、使う道具は自分の手づくり、スタチューもやっちゃうし、そして1年前におもちゃ楽器のお店を立ち上げてしまうという、超なんでもジャグラーです。自分のこだわりに正直に、流されずに生きている人。

2011年に、ジャグリング界で誰にも知られていないような僕が初めて自作ボールを販売しようとしていたとき、心良くPVに出てくれた恩人でもあります。そのPVがなければ、今のPM Jugglingはなかったと思います。

 

自ら選んで仕入れたおもちゃ楽器の数々。乾燥させて作ったというひょうたんのマラカスをはじめとする自作の手づくり楽器も。すべて遊ばせてもらいましたが、どれも楽しかった! ジャグリング道具にも、こういうわくわく感が欲しい。

 

会場ではエンデュランスなどのイベントも。気のせいかもしれませんが、今年のエンデュランスは人が多かったような? 昔に比べるとあまり注目されないイベントになっている気がしていましたが、やっぱりわーっと人が集まって投げるのは、シンプルに楽しい光景です。エンデュランスはきっと万国共通の楽しさ。

 

そしてこちらも恒例の、ビッグトスアップ。浮いている道具の種類の多さから、日本のジャグリングの多様性がみてとれるかも…?

その後、そのまま夜のゲストステージへ。今年のゲストは、ホワイトアスパラガス、隈本哲人、渡邉尚、Emil Dahl。ジャグラーとして純粋にわくわくする、幸せな時間でした。

 

3日目

朝からEmilのリングワークショップへ。

バランスのパターンや練習方法を教わります。わかりやすいのですが、自分でやってみると、さらにEmilの上手さが際立って感じられます。笑

 

こちらも青木くんが主催のWS「ヨーロッパ・プロジャグラーたちの世界。 〜ジャグラーがジャグリングをしていくための「仕組み」〜」。ゲストに世界で活躍される渡邉尚さんを迎えて、具体的かつ実践的な話を聞きます。

渡邉さんがなぜヨーロッパで注目を集めるジャグラーになったのか。そのストーリーに始まり、ヨーロッパのジャグリングやサーカス界はどういう仕組みになっているのか。国による違いや、それぞれの関係、日本人が気を配った方が良いところなど。

ジャグラーとしてヨーロッパで活躍したいと思わずとも、純粋におもしろい話の数々。ジャグリングを通じた文化論のようでした。

PM Jugglingはヨーロッパからの製作依頼も多いのですが、なるほど、こういう国々に送っているんだよなと、より想像力が広がりました。そして、自分もまた行ってみたいな、と。

 

3日目の後半は大きなイベントはなく、みな体育館で練習したり、交流したりしながら、割とのんびり過ごします。出展ブースの場所から、会場を眺めているだけでも楽しかった。まだ話せていない人を、探しだして話したり。

17:30には閉会式が行われ、今年のJJFが終わります。参加したいイベントが他にもたくさんありましたが、身体が一つなのが惜しいです。濃厚で、楽しい3日間でした。交流していただいた方、そして実行委員のみなさん、本当にありがとうございました。

 

JJFで出会ったひとたち

どんな人がジャグリングをしているのか。それを残したいなと思い、自分のブースを中心に、交流した方の写真を撮らせていただきました。

 

はなぽんさん。JJF実行委員のショップ担当でお世話になりました!

 

やまけんさん。いつもPMリングの新しい使い方を開拓してくださります。

 

やまけんさんの生み出すオブジェ。

 

タカシさん。CS本当におつかれさまでした。

 

れじゅめさん。Twitterのアイコンと同じキャラクターを持ち歩いていて、わかりやすいです!

 

たろりんさん。代名詞の頭頂ストールで。

 

ボールジャグリングが熱い、レッドGさん。旅するビーンバッグを気に入ってくださりました。

 

じゃぐたくさん。MaKUMAとしてチーム部門に出場されていました。天才! です。

 

やどりさん。宮野さんの手づくりリングを回してくれました。和風な感じがぴったりでした。

 

大橋さんのマグスティックで遊ぶハチロウさん。ホワイトアスパラガスのゲストステージ、本当に面白かったです。

 

まさやんさん。WSを2つ開いて、皿回しをさらに広めていました。

 

石黒さん。やわらかリングでいつもいろいろ作ってくださりありがとうございます!

 

まさひろくん。試作中のクリアソフトロシアンでひょいっと7ボールを投げてくれました。

 

目黒さん。いつも道具へのフィードバックありがとうございます!

 

カーキくん。忙しい実行委員長の仕事の合間に遊んでくれました。

 

小野澤くん。以前PMロシアンボールのPVを撮っていただきました。今度カメラを教えて欲しい!

 

じゃぐたくさんと共にMaKUMAとしてCSに出場した、コータローさん。すべての発想がすごいです。笑

 

貴重な1983年生まれの同世代ジャグラー、くったんさん(の背中)。

 

ナランハ様のブースでVR体験をさせてくださった、制作者の方。初めてのVRがジャグリングでうれしかったです。ありがとうございました!

 

いつもKJF(韓国ジャグリングフェスティバル)に行くたびにお世話になっている、韓国ジャグリング協会の事務長、シン・ムンホンさん。2006年からJJFに参加し、それがきっかけで日本語を勉強。今では日本語が堪能なのです。

 

韓国から、ボール、ディアボロ、ヨーヨーなど幅広く嗜む、イム・サンユンさん。去年のJJF in 福岡にも来ていました!

 

イ・ハギンさん。普段は韓国の民俗村でディアボロなどを披露しています。

 

シン・キウォンさん。デビルスティックを操りながらドラムを叩く、オリジナルのマーチング・デビル。Twitterでは日本語でもつぶやいています。

今年もたくさんの方と出会えて、うれしかったです!

 

余談ですが… 12年前のJJFで撮った写真が出てきたので、それと同じ場所で撮ってみました。撮影してくれたのはジャグラーのSHOGUNさん。ありがとうございます。

2006年の自分は、友達もほとんどおらず、カメラを床に置いて自撮りしていた大学生でした。今も中身は変わらないですが、それでも、たくさんの人と知り合えて、話せるようになって、ジャグリングを続けてきてよかったなと思います。

いつもありがとうございます。また来年!

 

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