まだ居る

生地をカットして、椅子に腰掛けて、ひとやすみする。ちょうど養老孟司さんの講演の動画を見ていて、ふと、自分がいなくなるときに思い出されるのはどのシーンだろうかと考えた。すーっと息を吸い込んで、目をつぶってみる。頭に浮かんだのは小学生のころ住んでいた、多摩ニュータウンの団地の横道にいる場面だった。2-1-4。そうか、あのころから、僕は何も変わっていないんだ、と思った。そしてなんだかすごく安心した。あのころは真面目でやさしい少年で、いまはひねくれてばかりの41歳になってしまったけど、あのころの僕はまだ自分のなかに居るんだ。


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