PM Jugglingのかたわらで、ピザ回しドットコムというサイトを運営しています。2008年にたまたまテレビでピザ回しを見て、ジャグリングの視点でピザ回しを開拓してみたら楽しそうだな、と思ってつくりました。実はこちらのほうがPMよりも先です。ピザ回しの練習道具であるゴム製の生地の販売を中心に、技に名前をつけて載せたり、有志で練習会を開いたりしています。
そんなピザ回しドットコムの活動を通じて、思いもよらず得られた一番のもの。それは、リアルな人とのつながりでした。
初期の練習会は、埼玉の桶川市や和光市といった都心ではない場所で開催していました。アクセスがあまりよくないにも関わらず、サイトで道具を購入して情報を見てくださった方が、道具を買ったからには上手くなりたいと熱意をもって足を運んでくれました。まったく来ないことも覚悟していたので、ちょっとした驚きでした。
参加者はピザ職人さんをはじめ飲食業の方も多く、いままで自分が関わることがなかったような方々と出会いました。大学を卒業したばかりで就職もしておらず、一般的な社会人経験がなかった僕にとっては、そんな参加者との交流から学ぶことは多かったです。もはやピザ回しは関係なく、僕と一緒にタップダンスを習ってくれた方もいたりして、楽しかった。練習会を通じて出会い、いまなお、家族ぐるみで交流が続いているピザ職人さんもいます。
ネットの力、そして、道具というものの力は、こうして人のつながりを生んでいくことができる。それを合わせたネット販売という行為は、とてもわくわくするものだと知りました。そんなピザ回しドットコムでの経験は、いまの軸であるPM Jugglingの活動にもつながっています。道具の販売というとお金目的なイメージが先行しますし、もちろんそれも間違いではありません。でも僕にとっては、未知の人とつながるコミュニケーション手段でもあるのです。
この原稿は書くジャグリングの雑誌:PONTEが発行するメルマガ『週刊PONTE』2019 vol.2(2019/1/14発行号)に掲載されたものです。