たまむすび 第8回「ジャグラートのこと」


2004年のことです。浪人期間を経て大学に入った僕は、これでようやく思い切りジャグリングができるぞ、と意気揚々としていました。当然のように、大学でジャグリングに関する活動をしたいと考えましたが、入学した大学にはジャグリングサークルがありませんでした。ならば、と立ち上げたのが、法政大学のジャグラートというサークルです。

1年次のゼミで一緒になった人たちを、形だけでもと説き伏せ、5人ほど集まってくれて、なんとかスタート。練習部屋を予約して、いざ、ジャグリング!と思いきや、別にみんなはジャグリングに興味があるわけではないので、カップラーメンを食べたり、漫画を読んでいるだけなのでした。「世間の人はジャグリングの存在を知らないだけで、知ればきっと夢中になる」と思っていた僕は、他の人にとっては必ずしもそうではないということを知るのです…

ひとまずみんなカスケードができるくらいまではやってくれたのですが、基本的には僕だけが練習しているような、ジャグリングのサークルといえるのかわからない、ゆるい集まりになりました。とはいえ、それぞれの居場所のひとつにはなってくれていたように思います。外部からの依頼もたまにあり、ほぼ一人でパフォーマンスするのですが、みんなよく遊びに来てくれました。僕の活動を、メンバーが見守ってくれるような集まりで、それはそれで、とてもありがたいことだと感じていました。

でも一方で、僕が求めていた、一緒に夢中になれるようなジャグリングの友達はつくれなかった、という思いも強く残りました。そういう意味では、逆に孤独感が増していて。大学卒業後も就職せずにジャグリングでねばり続けたのは、いつか、そんなジャグリング友達をつくりたかったからだとも思います。もしジャグラーのいる大きなジャグリングサークルに入って満たされていたら、違う人生だったかもしれません。わからないものだなあと思います。


 

この原稿は書くジャグリングの雑誌:PONTEが発行するメルマガ『週刊PONTE』vol.14(2019/2/11発行号)に掲載されたものです。