たまむすび 第3回「糸口」


PM Jugglingというプロジェクトでものづくりをしている板津です。ここでは僕が体験してきたジャグリングの良さや、そこから学んだことなどをつづっています。

今回は、ジャグラーとつながることができるようになった、自分なりの糸口についてです。

僕はジャグリングを始めてから15年近く、限られた数人の友達しかいませんでした。もっとジャグラーの友達をつくりたいと思って、たまに練習会などに参加してみるものの、なかなか溶け込めず。練習しているだけで声をかけられるほど上手くもなく、専門と言えるような道具があるわけでもない。サークルに所属していないのでそういう話題もない。ジャグリングを好きな気持ちは強くあっても、外の世界につながっていく糸口がつかめずに、悶々としていました。

状況が変わってきたのは5年ほど前です。つくった道具をネットで売ってみて、それが知られてきた頃でした。それまでとは違い「道具を売っている人」として見られるようになり、ジャグリングの場における自分の在り方が変わりました。そして道具の話をきっかけに、自分から人のジャグリングと関わっていけるように。ちょっと特殊かもしれませんが、僕なりにようやく1つ、相手の役に立てるもの、会話の糸口を手にいれた気分でした。

人に渡せるものを1つ持つと、こちらから先行してコミュニケーションを生み出せて、上手くサイクルがまわりはじめました。相手に渡して、返ってきたものを自分でまた大きくして、それをまた他の人に渡して、という感じです。そうしていくうちに自分の世界が広がっていき、今ではすこしずつ、海外のジャグラーともつながりをもてたりしています。

本当は、なにももたない丸裸の状態でも人と仲良くなれるといいよなあ、とも思いつつ。最初のとっかかりとして、あるいはやさしさとして、人に渡せるものをもっておくと、楽しい世界が広がっていくかもしれません。

(第4回へ続く)


この原稿は書くジャグリングの雑誌:PONTEが発行するメルマガ『週刊PONTE』2018年vol.4(2018/12/3発行号)に掲載されたものです。